社葬は亡くなった功労者を弔い、送る重要な儀式です。ご遺族は深い悲しみの中で執り行われます。しかし、社葬を行うためには様々な事柄を決定し、進めていく必要があり、それら作業はご遺族にとってたいへんな負担になります。事前にできる準備をし、企業としての指針をまとめておくとスムーズです。

お別れ会

企業とご家族が、事前に準備できること

会社の中でどのような方が亡くなられた場合に、社葬としておくるのか。また、社葬を行うために必要になるものとは、どのようなものがあるのか。事前に準備できるものを以下にまとめました。

1. 社葬取扱規定の作成(対象:企業)

社葬規定 【例】

  1. 代表取締役ならびにその経験者が死亡したときには社葬とし、以下の経費を支出する。
    個人葬に関わる費用、社葬に関わる費用
    ※ただし、次の費用は除外する。戒名(法名)に関わる費用、火葬費用、香典返しの費用
  2. 現職の取締役ならびに五年以上取締役を経験し、取締役を退任後五年以内の者が死亡したときには、個人と会社との合同葬とし、以下の経費を支出する。
    合同葬に関わる費用
    ※ただし、次の費用は除外する。戒名(法名)に関わる費用、火葬費用、香典返しの費用
  3. 現職の社員、または会社に貢献があったと担当部長が認めた者が死亡したときには、退職金とは別に弔慰金十万円、供花料三万円を支出する。
  4. 殉職者その他特別な理由がある場合には、その都度取締役会で取り扱いを決定する。

2. 緊急連絡先名簿の作成(対象:企業、家族)

訃報連絡先の名簿を作成。
企業側では、 取引先・株主など 。
家族側では、 本人の血縁・地縁・友人関係など。
故人との関わりや企業同士の関係性を考慮し、重要度順にランクを分けたり、家族から伝えたい人は予め分けておくとスムーズに連絡が行える。名簿には、企業名、代表者名、担当者名、電話番号、FAX、メールアドレス、郵便番号、住所を記す。

葬儀連絡名簿作成

3. 役員別経歴書の作成(対象:企業、家族)

社葬対象者の経歴書を作成。
企業側では、社歴や功績など。家族側では、生い立ちなどプライベートな特筆事項もあれば一緒にまとめる。

社葬名簿作成

4. 葬儀会社の候補選定(対象:企業)

葬儀社のほか、社葬会場やお別れ会を行うホテルなどをある程度選定。 決定する前には、家族の意向も確認が必要。

葬儀会場

当社へのご連絡から告別式終了、葬儀後の流れ

【STEP 1 】ご臨終の後、ご連絡

病院で亡くなられた場合

・ご遺体の処置(清拭)
・死化粧と着替え
・死亡診断書の受け取り

ご自宅で亡くなられた場合

・かかりつけ医師もしくは警察へ連絡
・診断、検案
・死亡の判定
・死亡診断書の受け取り


この後、当社にご連絡ください。
24時間365日受け付けしております。
年中無休で当社の寝台車が出動します。

24時間365日受付0120-421-444

お電話で下記の内容をお伝えください。
・ご連絡者のお名前 ・故人名 ・病院名、病室(病院で亡くなられた場合)
・電話番号 ・お迎えの時間 ・宗旨、宗派(お分かりの場合)

【STEP 2 】ご遺体の搬送~安置

1)安置をする場所を決めます。(ご自宅または当社安置室)※ご自宅の場合はお布団をご用意ください。
2)ご遺体を保冷するため、ドライアイスを施します。
3)故人の枕元に枕飾りをします。

ご搬送
ご安置

【STEP 3 】葬儀の打ち合わせ

1)喪主・葬儀委員長を決めます。
2)社葬or合同葬、後日のお別れ会を決めます。
3)通夜、告別式の希望日時と式場を決めます。
4)宗旨、宗派、家紋、社紋などの確認をします。
5)宗旨にそった寺院または、各布教所などへ連絡し、希望日時を決定とします。
6)死亡届けは、当社が代行いたします。

■このときに、ご準備いただくもの
死亡診断書/認め印/火葬料金/宗派の確認/遺影写真の原稿

葬儀お打ち合わせ
寺院連絡

社葬の場合
1)緊急役員会を開く
1-1 社葬取扱規定に基づき、日時・場所・費用等を決定
1-2 依頼先の葬儀社を決定
1-3 供花・供物・香典の取扱いを決定(供花は受け付けるが、香典は辞退するなど)
1-4 葬儀委員長を選出し、葬儀実行委員会や事務局を立ち上げる。

【STEP 4 】葬儀の詳細を決める

葬儀に必要な内容を決めます。

祭壇/礼状印刷/遺影写真/粗供養/香典/供花/供物/式場/霊柩車/お供車(タクシー)
マイクロバス/送迎バス/お柩/本骨壺・胴骨壺セット/メモリアルコーナー/スライド写真/看板/生演奏/受付の分け方/記録写真撮影/湯灌(ゆかん)

葬儀受付
霊柩車

社葬の場合
2)社葬運営マニュアルを作成
2-1 依頼先の葬儀社と打ち合わせを開始し、具体的な準備を開始する
2-2 葬儀社と一緒に運営マニュアルを作成する
2-3 葬儀内容、会葬者、立札者などを決める

【STEP 5 】各方面へご連絡

1)親族へ連絡
2)友人、関係先(会社関係 etc.)へ連絡
3)自治会、町内会へ連絡
4)受付けをしていただく方の手配(町内会、会社関係、親族 etc.)

各方面へ葬儀の連絡

社葬の場合
3)社内通達
葬儀日程、会場、葬儀委員長、担当葬儀社、供花・供物・香典の取扱いなど、緊急役員会で決定した概要を社内掲示板や社内メール等で従業員に通達する。

4)社外通達
4-1 社葬実施日の2週間前を目安に、差出人を葬儀委員長の名前にして案内状を発送。
4-2 弔辞いただく方を選定し、依頼する。

【STEP 6 】お通夜の準備・納棺

1)お通夜の料理(通夜振る舞い)と精進料理(精進落とし)の発注。(※当社が受注いたします)
2)式服(貸衣裳)の発注。(※当社が受注いたします)
3)供花、供物の発注。(※当社が受注いたします)
4)湯灌(ゆかん)の儀
5)納棺、式場設営をいたします。
6)納棺のとき、お柩に入れられたい物をご用意。(※燃えない物以外)

通夜振る舞い、精進落とし
お別れ

【STEP 7 】お通夜当日

1)故人様を会館へ搬送。
2)立札にお立ちいただく男性を決めていただきます。親族2〜3名程、会社関係者4~5名程。
3)座礼にお座りいただく女性を決めていただきます。親族2〜3名程、会社関係者4~5名程。
4)通夜式終了後、ご親族皆様に通夜振る舞いを召し上がっていただきます。
5)お通夜終了

お通夜
通夜振る舞い

【STEP 8 】告別式の準備

1)焼香順位の作成。
2)弔電のお預かりと代読順位の作成
3)火葬場までお見送りいただける方の乗車配分

■焼香順位の例<父死亡の場合>

【1】喪主(長男)
【2】喪主の母
【3】喪主の妻
【4】喪主の子供
【5】喪主の弟
【6】喪主の姉妹(他家の妻と家族)
【7】故人の兄弟と家族

【8】故人の姉妹と家族
【9】喪主の母の父母とその家族
【10】喪主の妻の父母
【11】喪主の妻の兄弟・姉妹
【12】喪主の従兄弟・従姉妹
【13】喪主の兄弟・姉妹の配偶者の父母とその家族、会社役員、代表者

※葬儀委員長がいる場合は、1番目となる場合が多い。
※御家族の家族構成により順位が変わります。
※上記は一例ですので主な親族と充分に相談してください。 当社担当者が適切なアドバイスいたします。

【STEP 9 】葬儀・告別式当日(社葬・合同葬の場合)

・生演奏
・スライド写真
【1】導師のご入場
【2】導師の読経
【3】引導や表白
【4】謝辞
【5】弔辞(1~3名程)
【6】弔電代読
【7】導師の読経

【8】親族焼香
【9】代表焼香
【10】一般焼香
【11】導師のご退席
【12】親族代表あいさつ
【13】お別れの儀
【14】ご出棺
【15】火葬場へ

葬儀・社葬
葬儀親族代表あいさつ

社葬の場合
5)社葬当日
5-1 朝礼を行い、スタッフはインカム等で連絡が取り合えるように準備する。
5-2 各自マニュアルに沿って対応する。
5-3 会葬者は事前に決めてあるお席へとご案内する。

【STEP 10 】火葬~葬儀終了

【1】火葬場へ
1)霊柩車、マイクロバス、タクシー、自家用車で火葬場へ向かいます。
2)導師の読経
3)親族焼香・会社代表者
※火葬場へ火葬許可書を提出します。

↓

【2】会館へ
1)喪主挨拶
2)精進料理(精進落とし)を召し上がっていただきます。

精進料理、精進落とし
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【3】火葬場へ
1)霊柩車、マイクロバス、タクシー、自家用車で火葬場へ向かいます。
2)骨上げ

骨上げ
↓

【4】会館へ
1)還骨のお勤め
2)初七日の法要

↓

【5】葬儀終了
ご自宅へお戻りいただき、当社で後飾り祭壇の設置をさせていただきます。

【STEP 11 】後飾りと諸手続き

葬儀のあと、遺骨、遺影、白木の位牌を安置し、花や灯明、香炉を置くための後飾り祭壇を設けます。そして、満中陰の四十九日間、家族は祭壇の前に座り、故人が極楽浄土に行けるように供養します。

後飾り祭壇

1)葬儀後、ご自宅へ戻られた際に、当社にて後飾り祭壇を設置いたします。
  ※四十九日までの供養の仕方をご説明します。
2)後飾りは、四十九日までの間、お飾りします。
3)四十九日までに、法要の日取り、会場(一般的には自宅か菩提寺)、会食の手配、黒塗りの位牌、お礼状、香典返しなどの用意をします。
4)納骨までに、石材店、霊園に連絡しておきます。また、納骨に必要な埋葬許可書を用意します。
5)住民票、公共料金、電話、預貯金などの名義変更をします。

【STEP 12 】四十九日法要・ご納骨

仏式では、四十九日までが忌中(きちゅう)で、この期間は結婚式などのお祝いごとへの出席や、寺・神社への参拝は控える ようにします。
※忌中は、神式で五十日祭までに当たります。キリスト教においては忌中という概念はありませんが、死後1ヶ月後の昇天(召天)記念日の後に 仏式などに倣って香典返しを送られることがあります。

僧侶読経

1)僧侶の読経、焼香、僧侶の法話の流れで法要を行います。
2)お墓に出向き、納骨を行います。
3)参列者全員で故人の供養のために会食をします。

【STEP 13 】遺品整理・形見分け

故人の日記・手紙・手帳(住所録やメモなど)などは、1年から2年程度は、必要になることもあるので保管しておきます。預金通帳や株券など、お金に関わる書類は特に大切に保管しておきます。遺品整理を専門にする業者もありますので、相談されるのもひとつでしょう。

形見分けは、故人と親交のあった方に遺品を贈るものです。四十九日の後に行います。

【STEP 14 】香典返し・お礼状送付

四十九日の後、香典返しとして引出物をお渡しします。いただいた金額のうち2分の1の金額の品物が目安です。
香典返しは本来、忌明けに行うものですが、忌明けの返礼の煩雑さを解消するため、葬儀当日に香典の金額に関わらず、一律の品物を返す「当日(即日)返し」をされる傾向も高まっています。

また、高額な香典をいただいた場合には、忌明け後、別に品物を送ることもあります。香典返しは後まで残らない消耗品がよいとされていましたが、最近では商品券と一緒にしたり、カタログから自由に選べるシステムも人気です。

香典返しは仏式のしきたりですが、神式でも、神葬祭(しんそうさい)の三十日祭、もしくは五十日祭の忌明け後、挨拶状ともに香典返しをするのが一般的です。キリスト教式でもこれにならい、1カ月後の昇天(召天)記念日に挨拶状を添えて記念品を送るケースが多いようです。